【要約②】『海洋プラスチック』プラスチックごみの種類/恐ろしさを解説

今回はおすすめの本を紹介したいと思います!

保坂直紀さんが執筆した『海洋プラスチック~永遠のごみの行方~』
です!

昨今、持続可能な未来を築くため
SDGsを中心に「貧困や不平等」「気候変動」「環境劣化」「繁栄」「平和と公正」など
私たちが直面するグローバルな諸課題の解決を目指した取り組みが進んでいます。

「気候変動」「環境劣化」とへと繋がるプラスチックごみの問題についても
“ビニール袋の有料化”や”ラベルレスの飲料商品の開発”など
我々が生活するうえで、プラスチックごみの削減を目的とした政府・企業の対策を目にすることが増えてきています。

そんなプラスチックごみの問題について
我々が置かれている現状を正しく認識し、未来への対策を講じるためにはどのような考えが必要か
ということをわかりやすく説明をしてくれているこちらの本

本に記されている主張を自分なりに要点を絞ってまとめました。

それでは、いってみましょう!

【本コラムのターゲット】
・『海洋プラスチック』に興味がある方
・プラスチックごみ問題について知りたい方
・「SDGs」に興味がある方

結論:『海洋プラスチック』とは?

本書の著者、保坂直紀さんは、東京大学 理学部地球物理学科卒業し、同大大学院で海洋物理学を専攻。2010年に東京工業大学で博士(学術)を取得し、2017年まで東京大学海洋アライアンス上席主幹研究員を務めました。現在はサイエンスライターとして、海洋や気象、環境問題などをテーマに執筆をおこなっています。

本書では、「プラスチックごみ」の問題について
そもそも、プラスチックごみとはどのようなゴミで、どのような問題があるのか
現状を正しく理解し、未来への対策を講じるためのヒントが記されています。

結論から申し上げますと、本書での主張は、大きく下記の3点です!

1.「プラスチックごみ」問題の現状とは?
⇒世界中の海は、実は「プラスチックごみ」だらけである
2.「プラスチックごみ」とはどのようなゴミなのか?
⇒特に、「マイクロプラスチック」は「プラスチックごみ」の中でも深刻
3.未来のために我々が「プラスチックごみ」問題に対して何ができるか?
⇒「プラスチックごみ」問題に対するアンテナの感度を高めることが重要

本記事では、『2.「プラスチックごみ」とはどのようなゴミなのか?』について深く掘り下げていきます。

そもそも「プラスチック」とはなんなのか?

一口に「プラスチックごみ」と言ってもその種類は豊富です。
そもそも「プラスチック」とはなんなのか?主な特徴は、以下になります。

「プラスチック」とは?

✓熱可塑性(熱を加えると変形する性質)を持つ人工的な合成樹脂のことを指す。

✓フェノール樹脂・メラミン樹脂・ポリエチレン・ポリ塩化ビニルなど多くの種類があり,日用品・機械部品・建築材料などに広く用いられる。

✓現在の「プラスチック」の多くは、原油を精製した際にできる「ナフサ」という成分を原料に作られている。

✓「ナフサ」を熱で分解すると得られる、エチレンやプロピレンなどの石油化学製品の原料を基に、ポリエチレンやポリプロピレンといった純粋なプラスチックをつくる。

✓これらの純粋なプラスチックに、燃えにくくしたり、柔軟にする添加剤を加え、色もつけて、大きさ数ミリメートルほどの「レジンペレット」をつくり、それを溶かして、私たちが使うプラスチック製品に成形している。

以上を踏まえたうえで、「プラスチックごみ」の主な種類と特徴を紹介していきます。

普段目にすることが多い「プラスチックごみ」とは?

私たちが日常目にすることが多い「プラスチックごみ」は、以下の2つの「プラスチック」がゴミとなってしまったものになります。

✓ポリエチレン
レジ袋などにも、広く使われている「ポリエチレン」
その最小単位であるエチレン分子が、鎖のように長く繋がって無数に絡み合って、ポリエチレン製品ができています。
イメージは、お湯を注ぐ前のカップ麺のような状態。
1本の麵がポリエチレンの分子だとすると、それが無数に絡み合って形を成している状態が
私たちが、普段目にするポリエチレンのプラスチック製品になります。
✓ポリプロピレン
熱や薬品に強く、建設資材やおもちゃ、文具などに幅広く使われている「ポリプロピレン」
3つの炭素原子と6つの水素原子からできたプロピレンが、ポリエチレンと同じく長い鎖のように繋がってできている状態が
私たちが、普段目にするポリプロピレンのプラスチック製品になります。

普段私たちが目にすることが多い上記の2つの「プラスチックごみ」の特徴
それは、長い鎖状の分子の形から、なによりも丈夫であるということです。

長い鎖状の分子が互いに絡み合うことで、力を加えた時の壊れにくさ、耐熱性、耐薬品性などが優れた性質が生まれています。
この丈夫な性質は、普段プラスチック製品として使用する時は便利なものですが
ゴミとなってしまっては非常に厄介。
いつまでたっても自然分解されずに細かな片として残り続けてしまうのです。

環境に優しい?と言われる「プラスチックごみ」の現実とは?

環境に優しいと言われている「プラスチックごみ」もあります。
主な、種類は下記になります。

✓生分解性プラスチック
微生物が水と二酸化炭素に分解してくれる「プラスチック」
しかし、分解には”60度以上の高温であること”、”まわりに水分と酸素”があることなどいくつかの条件があるため
その辺にポイ捨てしても消えてなくなるような魔法のプラスチックではありません。
海に流れてしまえば、普通の「プラスチックごみ」と同じです。
✓バイオマスプラスチック
原料が生物由来である「プラスチック」
こちらは、原料が「バイオ」なだけであって、ゴミとなった時に分解するか分解しないかは関係ない。
分解するものもあるし、石油由来の普通の「プラスチック」と同じように分解しないものもある。
つまり、バイオマスプラスチックの中でも、生分解性プラスチックでないものは
ごみとなった時に、普通のプラスチックと同じように地球を汚し続ける。

上記のプラスチックを合わせて「バイオプラスチック」と呼びます。
「バイオプラスチック」が地球に優しいとすれば
生分解性プラスチックが正しいゴミ処理方法であれば「ごみ」の観点から地球に優しく、バイオマスプラスチックが「原料」の観点から地球に優しいということだけであり
すべてが環境に優しい魔法のプラスチックではありません。

正しいごみ処理方法で分解がされなかったり、そもそも生分解性を持たないものであったら
結局は、環境に優しいとは言い切れないのです!

海に流れてしまえば、普通の「プラスチックごみ」と同じで
特に、細かな片となり「マイクロプラスチック」状態になってしまったときに、生き物に悪影響を与えるかもしれないのです。

「マイクロプラスチック」の恐ろしさとは?

「マイクロプラスチック」とは、直径5ミリメートル以下の小さなプラスチックのことを言います。
プラスチックはその丈夫さゆえ、いつまでたっても自然分解されずに細かな片として残り、海中のごみとなっています。

「マイクロプラスチック」は、海岸の美観、ゴミ処理方法といった普通のプラスチック問題とは様相が違います。
「マイクロプラスチック」を魚などがえさと間違えて食べ、食物連鎖を通して人間を含む様々な動物の体内に入っているという、生理的な気持ち悪さが問題となっています。

英国やオーストラリアなど、6か国の研究者が公表した論文の結果をもとに推定すると
いま、世界の海には51兆個のマイクロプラスチックが漂っていると言われています。

また、日本近海を漂う「マイクロプラスチック」は、海流等の影響から世界的にみてもかなり多いことが分かってきています。
九州大学応用力学研究所の磯部篤彦教授のグループが2015年に発表した調査結果によると
日本近海の「マイクロプラスチック」の量は、世界平均の27倍と推定がされています。

「マイクロプラスチック」が体内に入ることによる人体への影響は、現時点では未だ不明です。
しかし、プラスチックには様々な添加剤が使われています。また、特に海を漂うプラスチックには有害物質が吸着することがあります。
大きなプラスチックの場合は、内臓を傷つけたり栄養不足に追いやったりする悪影響が出ており
「マイクロプラスチック」は、様々な添加剤や吸着した有害物質が体内に移行することが、動物実験では確かめられています。

決して他人事ではなく、我々の身近にせまる問題であることが分かるかと思います。

まとめ

みなさま、いかがでしたでしょうか?

今回は、以下の3点について、ご紹介させていただきました。

[本コラムのまとめ]
①普段目にすることが多い「プラスチックごみ」には、「ポリエチレン」と「ポリプロピレン」があり、その大きな特徴は丈夫であること。ゴミとなった時、いつまでたっても自然分解されずに細かな片として残り続けてしまう。

②環境に優しいと言われている「プラスチックごみ」には、「生分解性プラスチック」と「バイオマスプラスチック」があるが、すべてが環境に優しい魔法のプラスチックではなく、正しいごみ処理方法で分解がされなかったり、生分解性を持たないものは環境に優しいとは言い切れない。

③プラスチックはその丈夫さゆえ、いつまでたっても自然分解されずに細かな片として残り、海中のごみとなる。直径5ミリメートル以下の小さなプラスチック片である「マイクロプラスチック」を生き物が食べ、食物連鎖を通して様々な悪影響が出ることが懸念される。

プラスチックにも、多くの種類がありますが
すべて、地球の異物であることは間違いありません。
また、人間を含め地球上の多くの生き物が、意識的にせよ無意識的にせよプラスチック片を食べてしまっていることは、ほぼ確実です。

すぐに、すべてのプラスチックを無くすことは不可能であるにせよ
「プラスチックごみ」の問題は決して他人事ではありません!
いかにして、ゴミにならないよう気を付けて、余計なプラスチックを減らしていくか
一人一人が意識を高めて、日々の生活を送ることが必要になってきます。

それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました。

 

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